2012年05月23日

中野 剛志 著「レジーム・チェンジ」を読んで

政治・経済・エネルギーなどいろいろな本を読んでいるので、

今日は最近読んだ本で良かった本を紹介します。

京都大学准教授・中野 剛志(なかの たけし)氏といえば反TPPの論客として

本やネットの世界ではここ1、2年ぐらいで有名になった人で、自分も「TPP亡国論」や

その他何冊か読んで勉強させてもらているのですよ。


今日紹介するのは 「レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想」 です。


レジームとは体制のことで、これまで支配的だった政治・経済の体制がすでに機能不全に

陥っているのにもかかわらず、その代りとなる新しい体制がいまだに成立していない・・・・・

・・・・この状況こそが深刻である。

特に日本経済が10年以上もデフレに苦しみ続けている事態が

いかに異常で、個人や社会に破壊的であるか訴えています。


デフレとは狭義では物価が下落し続け、貨幣価値が上がり続けることで、

そこから企業投資の減少個人所得の減少を招き、

その結果 需要不足 という状態になり

また最初にもどるデフレスパイラルという最悪の経済状況に日本はなっているわけです。


日本におけるデフレ不況の原因は何なのか?

それはバブル崩壊後、90年代前半から自民党政権が進めてきた経済政策

構造改革」というものである。(ニュースでよく聞いてきたでしょ)

構造改革の背景にある欧米仕込みの思想が「新自由主義」で

「自由市場こそが経済および社会発展を最大化する最良の手段である」という信念であり、

まあ要は市場原理主義的なイデオロギーなわけですよ。

そのキーワードは「小さな政府」「民営化」「規制緩和」「グローバル化」「消費税増税」という

おなじみのものです。

これらはインフレ時(需要過剰・供給不足)には有効なものであることは中野氏も

認めています。

  ・小さな政府→公共事業・無駄な公務員の削減による需要の抑制

  ・民営化・規制緩和→効率化および新規事業者参入による供給能力の増大

  ・グローバル化→輸入増大・外資参入による供給能力の増大 

  ・消費税増税→言うまでもなく需要の抑制

事実、アメリカ(レーガン政権)・イギリス(サッチャー政権)のときに新自由主義的政策が

押し進められましたが、このときのアメリカ・イギリスは悪性のインフレに経済が苦しめられていました。

しかし、
これらインフレ時の経済政策を
今の日本がおかれているデフレ時(需要不足・供給過剰)に
やったら
最悪になるに決まってんだろう(怒)


というのがこの本の最大の主張であります。


この新自由主義・構造改革路線は1996年~の橋本 龍太郎内閣の時に加速し、

2001年~の小泉 純一郎内閣で頂点に達し、

現在の民主党政権でも継続されているのですぞ。

この体制からの転換がレジーム・チェンジであり、

この古恵良と責任党が狙っているものなわけですよ!




↓ 第25回ゴー宣道場で発言する私(後姿だけど・・・・)
中野 剛志 著「レジーム・チェンジ」を読んで










Posted by 古恵良 元 (こえら はじめ) at 22:11│Comments(0)
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。